【容疑者Xの献身】映画のキャストが酷い!ネタバレ感想!ドラマ版が足を引っ張る

実験的作品として生まれ、トリックには常人には思いつかないような突飛な――科学的なトリックが用いられる「ガリレオシリーズ」の3作目にして、シリーズ初の長編小説となる「容疑者Xの献身(ようぎしゃXのけんしん)」

直木賞、本格ミステリ大賞受賞作でもあり、ガリレオシリーズ最高傑作に推す人も少なくない小説だ。

そんなベストセラー作家・東野圭吾(ひがしのけいご)作の「容疑者Xの献身」が大好きな筆者が見た映画化作品の感想、キャスト・あらすじを原作と比較しながら評価していく!

東野圭吾原作・映画「容疑者Xの献身」のネタバレ感想

※物語の核心に迫るようなネタバレはしないように配慮するが、ネタバレが怖い人は映画、もしくは小説を読んでからにした方がいいかもしれない。

まず結論から言うと原作原理主義者である筆者からすると映画版の「容疑者Xの献身」は駄作!

キャストについては後に述べるが、この脚本を書いた人やこの脚本でOKを出した人など、スタッフは原作(小説)を読んだのだろうか?と言いたくなるようなストーリー展開。

具体的に言うと湯川学が終盤、苦悩するシーンがあるのだけれど、ドラマ化にあたってどうしても主演男女の恋愛描写を入れたくて仕方ない勢によって、内海薫(うつみかおる)なるオリジナルキャラクター――後に小説にも登場――を湯川学の相棒にもってきたせいで、あまりにも薄味になっている。

原作を読んでいない人には特にわからないかもしれないが、あのシーンは大学時代からの親友である草薙俊平が相手だからこそ生きるシーン。内海薫では全く足りていない。

もう1つは雪山のシーン。

内海薫を出すのはドラマからの流れがあるから百歩譲って仕方なかったとしても、雪山のシーンは何?

原作にない映画オリジナルのシーンだけに、絶対にいれなければならない理由が必要だと思うんだけど……。

しかも逆にあの重要な出来事を削っておいての雪山だから。いや、まぁあそこをカットしたのは視聴者への影響を考えてのことなのかなとは思うけど。

容疑者Xの献身のキャストを原作と比較して評価

映画「容疑者Xの献身」のキャストを原作となる小説版と比較しながら評価していくが、評価は見た目のみで行い、演技力などは加味しない。

また全てのキャストを評価対象とはしない。

湯川学(ゆかわまなぶ)役:福山雅治

評価

ガリレオシリーズの主人公となる湯川学(ゆかわまなぶ)役は「福山雅治(ふくやままさはる)」

ガリレオシリーズが福山雅治主演でドラマ化される前――作者の東野圭吾がイメージしていたのは「佐野史郎(さのしろう)」だったことを考えると、福山雅治は「×」と言わざるを得ないが、ドラマを経ての映画となればもう湯川学=福山雅治となっているので「○」。

内海薫(うつみかおる):柴咲コウ

評価

ガリレオシリーズの実写版にて湯川学の相棒となる刑事・内海薫(うつみかおる)役は「柴咲コウ(しばさきこう)」

ドラマオリジナルのキャラクターとして生まれ、後に原作へと逆輸入されることとなるキャラクター。

そのため内海薫は柴咲コウで間違いない。

ただし原作の容疑者Xの献身には一切登場しないキャラクター。

しかし映画にはドラマ同様に湯川学の相棒として登場することとなる。そのせいで重要なシーンの重要さが微妙になっている。

容疑者Xの献身の相棒は親友である草薙俊平のままで良かった……。

ドラマあっての映画だから内海薫は出さざるを得なかったのはわかるけど、それならば内海薫と湯川学を恋人にしておくべきだった。

そもそもフジテレビがドラマオリジナルキャラクターとして内海薫という女性を湯川学の相棒にしたのは恋愛要素を入れたかったからだろうに。

恋人同士でもないとあのシーンの重要さが薄まっちゃうのよ。

石神哲哉(いしがみてつや)役:堤真一

評価 ×

湯川学の同窓生にしてライバルとなる天才数学者・石神哲哉(いしがみてつや)役は「堤真一(つつみしんいち」。

小説版の石神哲哉は目が細く、髪が薄く、柔道部顧問でずんぐりむっくり体型のお世辞にもイケメンとは言えないルックス設定。

本人もそのことを自覚しており、若々しい湯川学と自分を比較して自虐するシーンさえもある。

その石神哲哉が堤真一?

どうしてそうなる。

いや、わかる。わかるよ。

演技力や映画の宣伝、興行収入などを考えると似ているかどうかよりも優先されることがあるのは。

でもここではそんなこと全く関係ないので、違うと言わせてもらう

個人的にはカンニング竹山一択!

花岡靖子(はなおかやすこ)役:松雪泰子

評価

石神哲哉が足繁く通う弁当屋の店員であり、同じアパートに住む花岡靖子(はなおかやすこ)は「松雪泰子(まつゆきやすこ)」

元ホステスで美人設定のあるキャラクターであることを考えると松雪泰子は妥当。

ただ個人的に予想だにしないキャストだったため違和感は強かったが、設定を考えると悪くはない。

美人って感じの松雪泰子ではなく、もう少しほんわかとしか雰囲気のある人でも良かったかなと思う。でも悪くはない。

娘・花岡美里(はなおかみさと)役:金澤美穂

評価 可もなく不可もなし

花岡靖子の娘となる花岡美里(はなおかみさと)役は「金澤美穂(かなざわみほ)」

実はかなりの重要キャラクターとなるのだが、映画では影響を加味してかそのシーンはカットされていた……。

個人的に特に何のイメージもなかった――強いて言うなら母親の花岡靖子が美人設定なので可愛い子なのかなと思うが――ので可もなく不可もなし。

富樫慎二(とがししんじ)役:長塚圭史

評価

花岡靖子の元夫で、彼女たちを苦しめる富樫慎二(とがししんじ)役は「長塚圭史(ながつかけいし)」

原作を読んでいるとき富樫慎二役として長塚圭史のような人物を想定していたかというと全くしていなかった。イメージとは全く違った。

もう少し適役がいるのではないかという気がするが、悪くはない。

可もなく不可もなし。

工藤邦明(くどうくにあき)役:ダンカン

評価 ×

花岡靖子のホステス時代のお客さんで、古いアパートに住んでいる石神哲哉とは違ってお金も車も持っている工藤邦明(くどうくにあき)役は「ダンカン」

ダンカン……ダンカン!?

違和感凄い。

全くイメージしていなかったキャスティング。

見た目の違和感も凄かったが、しゃべると更に違和感が強くなった。

更に石神哲哉役に堤真一、工藤邦明役にダンカンを起用したことによって、堤真一の方が良くない?ってなってしまう……。

うん、石神哲哉役はカンニング竹山にして、工藤邦明役に堤真一を起用しよう。

うん、わかる。ダメだよね。興行収入を考えるとダメだよね。

う~ん……圧倒的「×」。

映画「容疑者Xの献身」のキャストとネタバレ感想まとめ

映画が出来るまでを考えたらこういうキャストになるのは仕方ないのかなと思う。

しかし脚本は……今作に限らず、原作あり映画の場合、もう少し原作と原作ファンをリスペクトしてくれと思う。

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